© ふくしまハナミゴロ All rights reserved.
みちのくの あさかのぬまの 花かつみ ~ 安積山公園(2016年5月23日11:00)
郡山市日和田町の安積山公園に咲く花かつみは、今が見頃です。
平安時代前期に編纂された古今和歌集に、次の歌があります。
「みちのくの あさかのぬまの 花かつみ かつみる人に 恋ひやわたらん」
(現代語訳)
みちのくの安積の沼の花かつみの名の、かつみというように、
かつがつに不満足ながら、ともかくも、ちょっと逢ったばかりの人なのに、
心に恋しく思って、永く月日を暮らすことであろうか
この歌により、「花かつみ」がこの地で有名になりました。
時代は下り、元禄2年5月1日(西暦1689年6月17日)、かの俳人松尾芭蕉と弟子の河合曾良は、「奥の細道」紀行でここ安積山を訪れました。
「等窮が宅を出て五里斗、檜皮(ひはだ)の宿を離れてあさか山有。路より近し。
此あたり沼多し。かつみ刈比もやゝ近うなれば、いづれの草を花かつみとは云ぞと、人々に尋侍れども更知人なし。沼を尋、人にとひ、かつみかつみと尋ねありきて、日は山の端にかゝりぬ。……」
奥の細道の一節に「花かつみ」は記されていますが、古より諸説があり幻の花とされていました。
芭蕉も花かつみや安積沼を人々に尋ねまわりましたが、知る人がいなかったと書いています。
さらに経つこと約200年。
明治9(1876)年6月17日、明治天皇の東北巡幸のさい、安積山の麓である横森新田のご休息所で、花かつみを「菖蒲に似て、いと小さき花」なる『ヒメシャガ』を花かつみとして天覧に供しました。
以後「ヒメシャガ」が「花かつみ」とされ、昭和49年、郡山市の花に制定されました。
悠久の想いを感じさせる郡山市へぜひお越しください!
なお、ふくしまハナミゴロは福島県県中地域内の開花情報を載せていきます。
近年の開花日は例年より異なることも多いので、ぜひふくしまハナミゴロをチェックしてくださいね。
<安積山公園>
住所 郡山市日和田町安積山
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。